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イバラッキーのK市に在住する「オカリナと山とカメラ」が好きな異邦人の他愛ない日々のあれこれを綴ります♪


by ocarina-t
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稜線/風と雲②・・・(187)

〔槍ヶ岳編Ⅰ=北アルプス〕

稜線/風と雲②・・・(187)_c0122445_14561178.jpg

上の写真は、異邦人の憧れの山。北アルプス穂高連峰です。十数年前に八ヶ岳から撮った写真で、左から前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳そして木で隠れていますが鞍部の大キレットがあり、南岳、天を刺すように聳えている槍ヶ岳です。

稜線/風と雲②・・・(187)_c0122445_15102748.jpgここは、新穂高温泉登山口から、わさび平小屋を通り、約6時間歩いた所にある鏡平です。今回を入れて槍ヶ岳には三回登頂する事になります。これまでの上高地から槍沢のルートと燕岳からの表銀座と呼ばれるルート。それに今回の双六岳を通り西鎌尾根へ抜けるルートです。槍ヶ岳が水面に映り、「何と綺麗な湖だ事」と見とれながら、写真をパチリ。今日はここから約3時間で着く双六小屋に宿泊予定なので、ゆっくり昼食をとり、のんびりとした。天気も良いので焦らずにと思いつつ、約1時間歩いて弓折岳をトラバースしたところに雷鳥と出会った。その頃は、何だか雲行きがおかしくなり、ガスがかかって視界が悪く、変な予感が脳裏をかすめ、雷鳥の名前のとおり・・・・・・と思った瞬間、

稜線/風と雲②・・・(187)_c0122445_15365683.jpgピカッ~ごろごろごろ~~と鳴り始めたので雨具を急いで着るや否やピカッピシュッ~ドガ~あ~ン~~と同時に強い風と横殴りの雨が容赦なく吹きつけ、カミナリは頭上で鳴っている様子だが、風雨が下から巻くようになり、バリバリバリ~と音をたて山肌を、雷光が伝わって行きます。おお怖いよ~。ザックを捨てハイマツを掴り身を横にすると登山道は滝のように雨が流れ、髪の毛が立つような感じで焦げ臭い匂いがしたと思う瞬間。ピシッドガ~あ~~ン~。 ぁ~ぁあ怖いよ。怖い。ウー~ くわばらくわばら。その音は地の果て、地の底まで山々にこだましているように感じました。身体は怖さと寒さで強張っていた。

稜線/風と雲②・・・(187)_c0122445_16809.jpgやがて雷光は去り、遥か下の方から雷の音がまだ聞こえている。ザックはカバーをしていても雨が入り、ぐっしょりと重い。視界が開け、少し歩いて行くとお花畑に出た。そこは雪渓を抜けた冷たい風邪が、エネルギーを奪う。チーズとチョコレートを口にし、地図を広げ位置確認する。あと1時間の辛抱だ。

稜線/風と雲②・・・(187)_c0122445_16281319.jpgああ寒い、体力が消耗していくのが分かる。肩にはザックの重さが食い込み、山肌は泥濘になり滑る。疲労の中、行きかう人がいないので足を挫いたら大変だ。そんな時、可憐な黒百合の花が勇気付けてくれる。

稜線/風と雲②・・・(187)_c0122445_16351720.jpg雪渓の上には鷲羽岳とその奥に水晶岳が見えてきた。この雪渓をトラバースし、急な道を登りきれば、左に双六岳があり、その麓に双六小屋があるはずだ。ふぅ~やっと安堵感が広がった。
                  ・・・・ つづく ・・・・

      《憧れし 夏山行きの 天地獄》
          〔あこがれし なつやまゆきの てんじごく〕
by ocarina-t | 2007-11-11 00:01 | 山行