夏山(その2)
2007年 07月 05日
北アルプスの夏山は、下界と違って歩くのを休めると、ヒンヤリと冷気が身体を通り抜ける。雲は黙々と稜線を伝わって沸いて来る。
遠く北には、笠ヶ岳(2,897M)が雲の上にぽっかりと顔を出している。
このままぼ~っと何もしないで、ここに何時までも居たい感じだ。
空は何処までも青く、透き通るような色合いだ。雲は遥か下にあり、夏特有の雲は下からどんどん沸いて来る。雲だけが音も無しに動いている。
・・・・・・・ なんて静寂な事だろう。
登頂するまでには、少し寂しさや不安感もあるのだが、雪渓やお花畑を通り抜け、孤独な気持ちも癒されて、ピークに立つと満足感が全身に漲る。山は元気を与えてくれるのだ。
北方の笠ヶ岳には、ルンゼや谷には残雪があり、その雪解けが里山の樹木達に生命の源として、搾り水が注がれている。
ここは「山と谷と雲」の世界だ。
《夏空に 果て無き伸びる 峰の雲》
〔なつぞらに はてなきのびる くものみね〕
by ocarina-t
| 2007-07-05 11:25
| 山行